北海道で民泊が禁止に?住宅宿泊事業の条例制限を守り損しない3つの必須知識

北海道で民泊が禁止に?住宅宿泊事業の条例制限を守り損しない3つの必須知識 法律・許可・行政

北海道で民泊(住宅宿泊事業)を行う場合、国の住宅宿泊事業法だけでなく、「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」や札幌市の独自条例も理解しておく必要があります。どのエリアで、どの曜日や時間帯に営業できるかは、収益性や物件選びに直結します。本記事では、北海道全域と札幌市の制限区域・制限期間のルール、届出前に確認すべき資料、違反リスク、収益につなげるための考え方を整理し、北海道で民泊運営を検討する際の判断材料をまとめます。

北海道の民泊条例とは?住宅宿泊事業法第18条に基づく制限の全体像

北海道の民泊条例とは?住宅宿泊事業法第18条に基づく制限の全体像

北海道で民泊(住宅宿泊事業)を始めるときは、「住宅宿泊事業法」と、それに基づく「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(以下、北海道条例)」の関係を押さえておく必要があります。大枠を理解しておくと、物件選びや事業計画の段階で大きな失敗を避けやすくなります。

北海道内の民泊規制は、次のような多層構造になっています。

  • 国の法律:住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)
  • 北海道条例:北海道が定めた共通ルール
  • 市町村レベルの追加ルール:一部市町村の独自条例・告示
  • 札幌市:道とは別の「札幌市条例」と別窓口

この構造を理解しておくことが重要なポイントです。

住宅宿泊事業法(民泊新法)と条例の関係

まず土台となる法律から確認します。観光庁の「民泊制度ポータルサイト」では、住宅宿泊事業法について次のように説明されています。

民泊サービスが我が国においても広がりつつある中、国民の宿泊需要の多様化に対応し、観光立国の推進及び良質な宿泊施設の不足の解消に資するため、「住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)」が平成29年6月に公布され、平成30年6月15日に施行されました。(観光庁「民泊制度ポータルサイト」より)

この住宅宿泊事業法が、いわゆる「民泊新法」です。年間営業日数の上限(原則180日)など、全国共通のルールを定めており、北海道でもこの法律が直接適用されます。

民泊と条例の関係では、住宅宿泊事業法第18条が重要になります。条文では、自治体による実施制限について次のように規定しています。

第十八条 都道府県又は市町村は、…学校、保育所その他これらに類する施設の周辺の地域その他の住宅宿泊事業の実施により生活環境の悪化が生ずるおそれがある地域として条例で定める地域において、住宅宿泊事業の実施を制限する区域及び期間を定めることができる。(住宅宿泊事業法第18条)

この条文により、各自治体(都道府県・市町村)は次の点を条例で定める権限を持ちます。

  • どのエリアで実施を制限するか
  • いつ(通年か特定時期か)制限するか
  • 禁止か一部制限か

国の法律が「全体の枠」を決め、地方自治体の条例が「ローカルルール」を追加する構造です。

北海道も、この第18条に基づいて独自条例を制定しています。それが「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」です。北海道庁の公式ページでは、次のように説明されています。

北海道では、住宅宿泊事業法第18条の規定に基づき、生活環境の悪化を防止しつつ、地域の実情に応じた民泊の受け入れを図るため、「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」を定めています。(北海道庁「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」ページの趣旨説明より要旨)

この「北海道条例」が、札幌市を除く道内エリアでの基本的な実施制限のルールになります。

北海道条例が制定された背景と目的

北海道で独自の民泊条例が必要になった背景には、観光需要の増加と生活環境保全の両立という課題があります。

観光庁は民泊新法の導入理由として、「観光立国の推進」「良質な宿泊施設の不足の解消」を掲げています。同時に、民泊の急拡大に伴う問題点にも触れています。

一方で、無許可の違法民泊施設の存在や、近隣住民とのトラブル等の問題も生じており、健全な民泊サービスの普及のためのルール整備が求められていました。(観光庁「民泊制度ポータルサイト」より)

北海道はインバウンド需要の高い地域で、ニセコ・函館・富良野などのリゾートからの要望も強く、道として全域を対象にしたルール整備が求められました。

北海道庁の「北海道民泊ポータルサイト(民泊を始めたい)」では、事業者向けに次のような案内をしています。

届出を行う前に、必ず3つのデータ(資料)をご確認ください。

・北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例
・届出書類(法人用)
・届出書類(個人用)
(北海道庁「北海道民泊ポータルサイト 民泊を始めたい」より)

北海道では「届出前に条例を必ず確認する」ことを前提にしています。条例は参考情報ではなく、「届出が可能か」「営業できる日数・期間」が決まる入り口条件という扱いです。

道条例の策定時にはパブリックコメントも行われています。北海道庁の「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例に対する意見募集について」では、

「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(案)」について、道民の皆様からのご意見を募集しました。
(北海道庁「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例に対する意見募集について」より)

とされており、住民の意見も踏まえてルール設計が行われたことがわかります。

実務面では、北海道条例は「道内どの市町村で、どのエリアに、どのような期間制限がかかるか」を一覧化した告示図が用意されています。北海道庁のページには、

告示の別図

空知総合振興局管内
 岩見沢市(1)(2)/芦別市/三笠市/滝川市/砂川市/深川市 奈井江町/秩父別町/沼田町
石狩振興局管内
 江別市(1)(2)(3)/千歳市(1)(2)(3)/恵庭市/北広島市 当別町
…(中略)…
釧路総合振興局管内
 釧路市(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)/釧路町/標茶町(1)(2)
根室振興局管内
 別海町/中標津町
(北海道庁「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」ページより)

といった形で、市町村ごとの対象エリアが列挙されています。カッコ番号ごとに地図(用途地域や駅周辺など)が別図で示されており、

  • どの区域が対象か
  • いつ営業できるか・できないか

を判断するための一次情報になります。

民泊事業者の目線では、次の三重チェックが基本になります。

  1. 国の法律(年間180日制限など)
  2. 北海道条例(エリア・期間の制限)
  3. 市町村独自の追加ルール(ある場合)

候補物件の所在地がどの制限に該当するか、必ず確認しておく必要があります。

札幌市は別条例・別窓口であることに注意

北海道で民泊を検討する際に誤解が多いのが「札幌市の扱い」です。札幌市は政令指定都市で、住宅宿泊事業の所管と条例が北海道庁とは分かれています。

白老町の公式サイトでは、問い合わせ先について次のように案内しています。

北海道・札幌市 民泊コールセンター

道内(札幌市を除く)における住宅宿泊事業法に基づいた民泊の一覧
 北海道住宅宿泊事業届出住宅一覧(札幌市を除く)

白老町で、住宅宿泊事業に基づき、民泊を営もうとする場合は、北海道への届出が必要となります。
詳しくは北海道のホームページ等をご確認ください。
(白老町「民泊に関する問合せについて」より)

ここで

  • 「道内(札幌市を除く)」
  • 「札幌市を除く」

と繰り返し強調している点が重要です。札幌市内は北海道庁ではなく札幌市が窓口となり、「札幌市住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例(札幌市条例)」が別に存在します。

北海道庁の「北海道民泊ポータルサイト」では、連絡窓口として次のような案内があります。

経済部観光局観光振興課民泊係
〒060-8588 札幌市中央区北3条西6丁目
電話:011-206-6597
(北海道庁「北海道民泊ポータルサイト 民泊を始めたい」より)

ただし、これは「札幌市を除く道内」の窓口です。札幌市内で民泊を行う場合は次の点を前提に検討します。

  • 札幌市の条例
  • 札幌市への届出
  • 札幌市独自のルール(用途地域制限、学校周辺の禁止など)

実務的には、次のように考えると整理しやすくなります。

  1. 物件所在地の自治体を確認する
  2. 札幌市内か、札幌市以外かをまず切り分ける
  3. 札幌市内の場合
  4. 札幌市の住宅宿泊事業ページと札幌市条例を一次情報として確認する
  5. 札幌市以外の場合
  6. 北海道民泊ポータルサイト
  7. 「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」と告示図
  8. 必要に応じて市町村独自ルール
    の順にチェックする

この区分を誤ると、

  • 北海道条例だけ見て札幌市で開業しようとする
  • 札幌市の厳しいルールを見て北海道全域が同じだと思い込む

といった誤解につながります。

北海道庁と札幌市は共同で「北海道・札幌市 民泊コールセンター」を設置しています。住民からの苦情・通報や事業者からの一般的な相談窓口として機能しています。白老町の案内でも、

民泊に関する住民の皆様からの苦情・通報等に関する問い合わせについて
北海道・札幌市 民泊コールセンター
(白老町「民泊に関する問合せについて」より)

と明記されています。運用面では連携しつつも、「条例・窓口は別」という構造です。

北海道で物件を探す段階から、

  • 法律(住宅宿泊事業法)
  • 北海道条例
  • 札幌市を含む各自治体のルール

という三層構造を前提に調査しておくと、「条例で禁止エリアだった」「札幌市だけ別ルールだった」といった致命的な行き違いを防ぎやすくなります。

北海道条例が定める「制限区域」の種類と具体的な範囲

北海道条例が定める「制限区域」の種類と具体的な範囲

北海道の「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」は、民泊によるトラブルを抑えるため、道内の一部エリアを「実施できない区域(制限区域)」として指定しています。条例本文と告示図を確認すると、制限の仕組みは大きく次の2パターンに整理できます。

  1. 住居専用系の用途地域そのものを制限区域とするパターン
  2. 学校(主に小学校)周辺100mを制限区域とするパターン

北海道庁の公式ページでは、対象市町村ごとに「告示の別図」が公開されています。

北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について
条例
告示の別図
(中略)
北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(北海道ホームページ)

と案内されており(北海道経済部観光局観光振興課「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」より)、実務ではこの別図と各市町村の用途地域図を突き合わせて、自分の検討物件が制限区域に入るかどうか確認していきます。


住居専用地域(第1種・第2種低層/中高層)での制限

まず押さえたいのが、「住居専用地域」を広く制限するパターンです。北海道条例では多くの自治体で次のような“住居専用系”用途地域が制限区域として指定されています。

  • 第1種低層住居専用地域
  • 第2種低層住居専用地域
  • 第1種中高層住居専用地域
  • 第2種中高層住居専用地域

白老町の案内でも、北海道条例に基づき、

次の用途地域
「第1種低層住居専用地域」
「第1種中高層住居専用地域」
「第2種低層住居専用地域」
「第2種中高層住居専用地域」

が制限される区域である

と明確に示されています(白老町「民泊に関する問合せについて」より)。

旭川市についても、民泊制度情報を集約したデータベースでは、

旭川市は北海道条例が適用。住居専用地域で月曜正午〜金曜正午は営業不可(家主居住型は免除)。

と説明されています(maxpaku「旭川市」ページ)。対象として第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域が挙げられています。自治体ごとに「終日禁止」か「平日昼間のみ禁止」かといった違いはありますが、「住居専用地域が制限の中心」という点は共通しています。

住居専用地域の制限で特に重要なのは次の点です。

  • 物件の用途地域が上記4つのいずれかなら、住宅宿泊事業法に基づく民泊営業が禁止、または大きく制約される
  • 近隣商業地域や商業地域など“住居専用ではない”用途地域は、北海道条例の一律制限の対象外であるケースが多い

北海道内で戸建てやファミリー向けマンションを検討する際は、まず「住居専用地域かどうか」を確認することが事業の前提条件になります。


学校周辺100メートル区域での制限

もうひとつの代表的な制限が、「学校周辺100m」の規制です。主に小学校周辺で、児童の生活環境や安全への配慮から設定されています。白老町の公式ページでは、北海道条例に基づく制限として次のように記載されています。

虎杖小学校の出入口周囲100メートルの区域
小学校制限区域図 (PDF 2.04MB)

(白老町「民泊に関する問合せについて」より)

小学校の出入口を中心とした半径100m圏が、住宅宿泊事業の実施を制限する区域になっています。

北海道条例の告示図では、市町村ごとに「どの学校の、どの範囲が対象か」を図示しています。白老町のように、

  • 学校ごとに出入口を起点とした100m圏の地図
  • 該当エリアを色分けした図

をPDFで公開している自治体も多くあります。学校周辺100mの制限は、用途地域に関係なくかかることが多いため、次の点に注意が必要です。

  • 商業地域・近隣商業地域でも、小学校出入口から100m圏内なら民泊が制限される
  • 同じ用途地域内でも、学校から100mを超えれば北海道条例上のこの制限から外れる

観光地に隣接した住宅街や駅近の住居系エリアでは、小学校が近いケースが少なくありません。購入・賃借前に「学校からの距離」を地図でおおまかに確認し、最終的には告示図で確定させる二段構えのチェックが安心です。


制限区域の確認方法(用途地域マップの活用)

実際に物件を探す際に重要になるのが、「候補物件が北海道条例の制限区域に入るかどうか」をどう確認するかという手順です。

北海道庁の公式サイトでは、条例だけでなく次のように対象市町村ごとの別図を一覧化しています。

条例
告示の別図
空知総合振興局管内
(中略)
胆振総合振興局管内
室蘭市 / 苫小牧(1) (2) (3) / 登別市 / 伊達市 / 白老町 / 洞爺湖町

(北海道経済部観光局観光振興課「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」より)

ここから該当市町村のPDFを開くと、

  1. どの用途地域が制限対象か
  2. どの学校周辺に100m制限がかかるか

を地図上で確認できます。

ただし、告示図だけでは番地レベルで「自分の物件がどの用途地域か」判断しづらい場合があります。白老町の案内でも、北海道条例の詳細については次のように記載されています。

制限についての詳細は、北海道経済部観光局観光振興課に問合せ願います。
【北海道経済部観光局観光振興課】電話番号 011-206-6597

(白老町「民泊に関する問合せについて」より)

一方で、用途地域の確認そのものは各市町村の建設課・都市計画課の担当です。

最も確実な確認フローは次のようになります。

  1. 北海道庁サイトの「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」と「告示の別図」で、おおよその制限エリアと対象用途地域を把握する
  2. 市町村の都市計画図・用途地域マップ(多くはウェブ公開)で、物件所在地の用途地域を確認する
  3. 不明点があれば、市町村の建設課・都市計画担当に地番を伝え、用途地域と条例の適用有無を確認する
  4. 条例の解釈や運用上の疑問があれば、北海道経済部観光局観光振興課や「北海道・札幌市 民泊コールセンター」に相談する

物件取得前にここまで確認するのは手間に感じるかもしれません。ただ、住居専用地域や学校周辺100mの制限は、「そもそも民泊ができない」「平日の営業ができない」といった根本条件に直結します。収益シミュレーションの前提として、北海道条例に基づく制限区域の種類と範囲を、一次情報にあたって正確に押さえておくことが重要です。

北海道条例が定める「制限期間」の仕組みと営業可能日数の計算

北海道条例が定める「制限期間」の仕組みと営業可能日数の計算

北海道の住宅宿泊事業では、エリアだけでなく「いつ営業してよいか」という期間面の制限も重要です。「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」(以下、北海道条例)は、住宅地の静けさや学校環境への配慮から、時間帯と曜日に関する細かなルールを定めています。収益シミュレーションをする前に、必ず押さえておきたいポイントです。

北海道によると、道内の一部区域には住宅宿泊事業法18条に基づく期間制限があります。白老町の案内でも次のように明記されています。

北海道により、住宅宿泊事業法第18条に基づき、道内の一部の区域・期間について、民泊(住宅宿泊事業)を制限する条例が制定されています。

(白老町「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について」案内より)

一次情報としては、北海道庁の「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」本体と、各市町村ごとの告示・別図が基準になります。

ここでは、北海道条例に基づく「制限期間」と営業可能日数の考え方を、実務で使いやすい形に整理します。

住居専用地域での制限期間:月曜正午〜金曜正午(平日昼間)

北海道条例の中核は、住居専用地域における平日昼間の営業制限です。対象となる用途地域は、多くの市町村で次の4区分が指定されています。

  • 第1種低層住居専用地域
  • 第2種低層住居専用地域
  • 第1種中高層住居専用地域
  • 第2種中高層住居専用地域

白老町の案内でも、次のように列挙されています。

次の用途地域「第1種低層住居専用地域」「第1種中高層住居専用地域」「第2種低層住居専用地域」「第2種中高層住居専用地域」

(白老町「民泊に関する問合せについて」内、条例説明部分)

北海道条例の特徴は、こうした住居専用地域について「月曜日の正午から金曜日の正午まで」の営業を禁止している点です。旭川市の法規解説でも、「住居専用地域で月曜正午〜金曜正午は営業不可」と整理されています(maxpaku『旭川市』の北海道条例解説部分)。

この時間帯制限には例外もあります。旭川市向けの分析では、「月曜正午〜金曜正午は営業不可(祝日・12/31-1/3除く)」と明記されています(同上)。北海道条例の運用としては次のように理解できます。

  • 祝日にあたる平日
  • 年末年始(12月31日〜1月3日)

については、たとえ月曜〜金曜でも制限時間帯の対象外です。条文でも国民の祝日や年末年始を別扱いにしているため、「平日のうち、祝日と12/31〜1/3を除いた月曜正午〜金曜正午」が営業不可と考えると整理しやすくなります。

学校周辺区域での制限期間:授業日の平日

もう一つ重要なのが、学校周辺100mの区域に関する制限です。白老町では「虎杖小学校の出入口周囲100メートルの区域」が条例による制限区域とされており(白老町「民泊に関する問合せについて」内『制限される区域』)、同様の指定は道内各市町村の小中学校周辺にも広く行われています。

旭川市向けの解説では、この学校周辺について「学校周辺100mで授業日に制限」と記載されています(maxpaku『旭川市』法規詳細)。北海道条例では次のような考え方を採用していると読み取れます。

  • 対象は、条例や告示で指定された学校の出入口からおおむね100mの範囲
  • 制限されるのは「授業日」の月曜正午〜金曜正午
  • 夏休み・冬休みなどの長期休業期間と祝日は制限対象外

学校周辺区域では、「授業が行われている平日の昼間」に限って住宅宿泊事業を制限する仕組みといえます。授業日・長期休業日の区分は、教育委員会や学校が定めます。実務では、市町村教育委員会や学校の年間行事予定も確認しながら、「いつなら問題なく営業できるか」を把握する必要があります。

家主居住型(ホームシェア型)は制限免除になるケース

投資や運営の戦略を考えるうえで見落とせないのが、家主居住型(ホームシェア型)の扱いです。北海道条例は、一定の条件を満たす家主居住型の住宅宿泊事業について、住居専用地域での期間制限を適用外とする仕組みを設けています。

旭川市の法規まとめでは、次のように整理されています。

住居専用地域で月曜正午〜金曜正午は営業不可(家主居住型は免除)

不在型 住居専用: 約120日(土日祝・年末年始のみ)。居住型: 180日

家主居住型は制限なし

(maxpaku『旭川市』日数分析および区域制限の説明部分)

これは次のような運用になっていることを示します。

  • 不在型(家主不在型)の場合:住居専用地域では平日昼間に営業できず、実質的な営業可能日数が減る
  • 家主居住型の場合:同じ住居専用地域でも、曜日・時間帯の制限なく年間180日まで営業できる

北海道条例の条文でも、

  • 住宅宿泊事業者が届出住宅に居住している
  • 一定日数以上、自ら居住している

といった家主居住型の要件が定められています。この要件を満たすかどうかで「期間制限の有無」が大きく変わる点は重要です。

道内で住居専用地域の物件を検討する場合は、

  • 不在型でAirbnbなどに委託運営するのか
  • 家主居住型にして、制限免除のメリットを狙うのか

で投資スキームも変わります。条例上は「実態として居住しているか」が問われるため、名義だけの形式的な居住ではなく、生活の実態を伴う運用設計が必要になります。

実質的な年間営業可能日数の目安(120日〜180日)

北海道条例の期間制限は、最終的に「年間何日営業できるか」という収益面に影響します。旭川市のデータでは、条例を踏まえた実質的な営業可能日数として次の目安が示されています。

  • 不在型(住居専用地域):約120日
  • 居住型(家主居住型):180日

(maxpaku『旭川市』日数分析部分)

同データは「不在型 住居専用: 約120日(土日祝・年末年始のみ)。居住型: 180日」と説明しており、北海道条例の「平日昼間NG」という制限を反映させたシミュレーション結果といえます。

この「約120日」は、次の条件を前提に逆算したものです。

  • 住宅宿泊事業法の法定上限日数(年間180日)
  • 北海道条例による平日昼間の営業禁止
  • 祝日と年末年始(12/31〜1/3)は平日でも営業可能

カレンダー上では、

  • 土日:年間約104日
  • 祝日:年間15日前後(年度により変動)
  • 年末年始(12/31〜1/3):4日

といった日数があります。これらを中心に営業しつつ、法定上限180日以内で運用すると、おおむね120日前後に落ち着くイメージです。

一方、家主居住型であれば旭川市の例のように「居住型: 180日」「家主居住型は制限なし」とされており(同上)、北海道条例による日数の削減はありません。もちろん住宅宿泊事業法の上限である180日は超えられませんが、

  • 住居専用地域の不在型:実質120日程度が上限目安
  • 同じ物件の家主居住型:最大180日まで営業可能

という差は、収益性に大きく影響します。1泊あたりの単価や稼働率によっては、年間売上が1.3〜1.5倍近く変わる可能性もあります。投資の初期段階で、「対象エリアは北海道条例の制限区域か」「不在型か家主居住型か」「想定できる営業可能日数は何日か」という3点を一次情報ベースで確認しておくことが重要です。

ここで挙げた数値は、あくまで旭川市での条例適用例と分析に基づく一般的な目安です。祝日数や学校の授業日数、物件ごとの運用方針により実際の日数は変動します。最終判断では、北海道庁の「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」本体と各市町村の告示を確認し、必要に応じて北海道経済部観光局観光振興課や「北海道・札幌市 民泊コールセンター」に相談できる体制を整えておくと安心です。

振興局管内別・制限対象市町村の一覧と地域ごとの注意点

振興局管内別・制限対象市町村の一覧と地域ごとの注意点

北海道で住宅宿泊事業を行う場合、まず確認したいのが「物件所在地の市町村が北海道条例の制限対象かどうか」です。北海道庁は「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」とあわせて、制限対象となる市町村を振興局ごとに一覧で公表しています。この一覧を基準にエリア選定や収益シミュレーションを行うのが実務的です。

北海道庁観光振興課が公表している一覧(「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について」の「告示の別図」および市町村リスト)では、振興局別の対象市町村が次のように明記されています(同ページの抜粋・要約)。

振興局 制限対象市町村(北海道庁公表リストより)
空知総合振興局 岩見沢市(1)(2)/芦別市/三笠市/滝川市/砂川市/深川市/奈井江町/秩父別町/沼田町
石狩振興局 江別市(1)(2)(3)/千歳市(1)(2)(3)/恵庭市/北広島市/当別町
後志総合振興局 小樽市(1)(2)(3)/ニセコ町/真狩村/倶知安町/共和町/留寿都村
胆振総合振興局 室蘭市/苫小牧市(1)(2)(3)/登別市/伊達市/白老町/洞爺湖町
日高総合振興局 様似町
渡島総合振興局 函館市(1)(2)(3)(4)(5)/北斗市/七飯町/鹿部町/八雲町
檜山振興局 なし(北海道庁リストに「なし」と明記)
上川総合振興局 旭川市(1)(2)(3)/士別市/富良野市(1)(2)/東神楽町/当麻町/中富良野町
留萌振興局 留萌市/小平町
宗谷総合振興局 稚内市/利尻町/利尻富士町
オホーツク総合振興局 北見市/網走市/美幌町/清里町/遠軽町/大空町
十勝総合振興局 帯広市/音更町/士幌町/中札内村/幕別町/池田町/豊頃町/本別町/浦幌町
釧路総合振興局 釧路市(1)〜(7)/釧路町/標茶町(1)(2)
根室振興局 別海町/中標津町

上記はすべて北海道庁「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について」ページに掲載されている市町村名を整理したものです。実際の制限内容や区域の線引きは、同ページからリンクされている各市町村の「告示の別図」で確認します。

後志総合振興局管内(ニセコ・倶知安・小樽など)

ニセコ・倶知安・ルスツ・キロロ(小樽市朝里川温泉方面)など、インバウンド需要の高い後志エリアは、条例上も重要な制限対象となっています。北海道庁の一覧では、後志総合振興局管内の対象市町村として次のように記載されています。

小樽市(1)(2)(3) / ニセコ町 / 真狩村 / 倶知安町 / 共和町 / 留寿都村

(北海道庁「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について」より)

ニセコ周辺のスキーリゾート一帯が広くカバーされていることがわかります。

このエリアで特に押さえたいポイントは次のとおりです。

  • 小樽市:番号(1)(2)(3)が付されており、用途地域や学校周辺など複数パターンの制限区域が存在することを示します。市が公表する告示図で、「どの町名・番地がどの区分の制限を受けるか」を事前に確認する必要があります。
  • ニセコ町・倶知安町・留寿都村・共和町・真狩村:観光地としての集客力が高く、ホテル・旅館との競合も激しいエリアです。条例による営業日数制限に加え、景観条例や旅館業とのすみ分けなど、自治体独自の運用が入るケースも想定されます。住宅宿泊事業法だけでなく各町村の要綱も確認しておきたいところです。

ニセコや倶知安は海外投資家も多い地域です。そのため、「制限区域をよく確認せず取得した結果、実際には想定の半分しか営業できない」といったミスマッチも起こりやすくなります。購入前・賃借前の段階で、北海道庁一覧と各町の告示図をセットでチェックすることがリスク回避につながります。

石狩・胆振・上川・十勝・釧路など主要エリアの状況

札幌近郊や地方中核都市が多い石狩・胆振・上川・十勝・釧路エリアも、条例上の制限対象市町村が多くなっています。北海道庁の公式リストには、たとえば次のように記載されています。

  • 石狩振興局管内
  • 江別市(1)(2)(3) / 千歳市(1)(2)(3) / 恵庭市 / 北広島市 / 当別町
  • 胆振総合振興局管内
  • 室蘭市 / 苫小牧市(1)(2)(3) / 登別市 / 伊達市 / 白老町 / 洞爺湖町
  • 上川総合振興局管内
  • 旭川市(1)(2)(3) / 士別市 / 富良野市(1)(2) / 東神楽町 / 当麻町 / 中富良野町
  • 十勝総合振興局管内
  • 帯広市 / 音更町 / 士幌町 / 中札内村 / 幕別町 / 池田町 / 豊頃町 / 本別町 / 浦幌町
  • 釧路総合振興局管内
  • 釧路市(1)〜(7) / 釧路町 / 標茶町(1)(2)

(いずれも北海道庁「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について」掲載内容の要約)

運営の観点からの注意点は次の通りです。

  • 札幌近郊(石狩振興局):江別・千歳・北広島・恵庭・当別は、札幌圏のベッドタウンで空港やICにも近いエリアです。民泊ニーズは見込めますが、学校周辺や住居系地域では日数制限が入る可能性が高くなります。特に千歳市は新千歳空港を抱えるため、空港周辺の用途地域と制限内容を細かく確認しておきたいところです。
  • 苫小牧・登別・洞爺湖など(胆振):港湾・工業地帯と温泉観光地が混在するため、市内のエリアによっては収益性も制限の重さも大きく変わります。温泉街に近いエリアでは、旅館業とのバランスを取る形で制限が強めに設定されるケースも考えられます。
  • 旭川・富良野周辺(上川):北海道庁の一覧で「旭川市(1)(2)(3)」「富良野市(1)(2)」と区分されている通り、学校区域や用途地域別に日数制限が細かく設定されています。前のセクションで触れたように、旭川市内の住居専用地域で不在型運営を行うと、営業可能日数がかなり圧縮されます。融資返済計画と整合させることが重要です。
  • 帯広・釧路など地方中核都市(十勝・釧路):帯広市・釧路市はビジネス需要と観光需要が混在する都市です。北海道庁リストではどちらも複数の番号区分(釧路市は(1)〜(7))が付されており、区域ごとに異なる制限があります。駅前や中心部の商業地域は比較的運営しやすい一方、住宅地では学校周辺の制限が重くなる場合もあります。地図で位置関係を丁寧に確認することが欠かせません。

これらのエリアでは、「札幌市は道条例の対象外(市独自条例)だが、札幌近郊や地方都市は道条例+市町村告示で制限される」という構造になります。札幌市の感覚で周辺エリアを見ると、思わぬ日数制限に引っかかることがあります。北海道庁と各市町村の一次情報をセットで確認することが重要です。

制限なし(告示なし)の地域はどこか

一方で、「北海道条例の制限対象になっていないエリア」を把握しておくことも、投資戦略上有効です。北海道庁の公式一覧では、檜山振興局管内について次のように明記されています。

檜山振興局管内 なし

(北海道庁「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について」より)

現時点では道条例にもとづく住宅宿泊事業の制限区域が設定されていないことがわかります。

ただし、「道条例の制限区域がない=どこでも自由に無制限で運営できる」という意味ではありません。実務上は、次の点を必ず確認する必要があります。

  • 各町の都市計画(用途地域)や建築基準法上の制限
  • 旅館業法による許可との関係
  • 地区計画・景観条例・別荘地の管理規約など、ローカルルール

檜山以外の振興局でも、北海道庁リストに掲載されていない市町村は「道条例上の制限区域外」です。ただ、その場合も上記のような別の制限がないか、一つずつ確認していく作業が欠かせません。

まとめると、北海道での民泊投資・運営を検討する際は、まず北海道庁の「住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」ページにある振興局別・市町村別一覧を起点に、次の3点を順に確認していくことが重要です。

  1. 物件所在地が道条例の制限対象市町村かどうか
  2. 対象なら、どの番号区分((1)(2)…)に該当し、どの程度の日数制限があるか
  3. 檜山など道条例の制限がない地域でも、他の法令やローカルルールがないか

一次情報にあたることで、机上の想定と実際の営業可能日数とのギャップを抑えられます。

札幌市の民泊条例:北海道条例とは別に定められた独自ルール

札幌市の民泊条例:北海道条例とは別に定められた独自ルール

北海道全体の道条例とは別に、札幌市は独自の民泊条例として「札幌市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(平成30年札幌市条例第8号)」を制定しています。この条例に基づき、札幌市内では次の2種類のエリアで住宅宿泊事業(民泊)の実施が制限されます。

  • 小学校等の周辺
  • 住居専用地域等に準ずる地域

札幌市公式サイトでも、次のように明示されています。

札幌市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(平成30年札幌市条例第8号)における、制限地域を指定する告示及び別表における地域は以下のとおりです。

告示別表に具体的な対象エリアが列挙されており、これが一次情報になります。

札幌市条例における制限区域(小学校周辺・住居専用地域等)

札幌市では、まず「小学校等周辺」での民泊に独自の制限をかけています。市の告示ページでは次のように案内されています。

小学校等周辺における制限区域図一覧

中央区 北区 東区 白石区 厚別区 豊平区 清田区 南区 西区 手稲区

区ごとに「制限区域図」が公開されており、対象となる範囲は「主たる校門より半径100m」圏内とされています。この“半径100m”という距離は条例・告示で明確に規定されています。物件が小学校の近くにある場合は、住所だけでなく地図上での距離も必ず確認する必要があります。

札幌市は「住居専用地域等に準ずる地域」にも制限を設けています。市の案内では次のように示されています。

住居専用地域等に準ずる地域(PDF:93KB)

用途地域上は住居専用地域と同等に扱うエリアを別途図面で示しています。このPDFに含まれるエリアでは、住宅宿泊事業の日数制限や実施そのものの制限がかかる可能性があります。「住居専用地域ではないから大丈夫」と判断できない点が、札幌市ならではの注意点です。

道条例だけを見て「年間180日まで運営できる」と判断しても、札幌市条例の制限区域に入っていると、実務上は運営できない、または運営日数が大きく削られるケースがあります。ファミリー層が多い住宅地や学校近接エリアは、近隣トラブルのリスクが高いエリアでもあります。札幌市としても保護を厚くしていると理解しておくとよいでしょう。

制限区域図の確認方法と担当窓口

具体的な制限範囲は、札幌市が公表する「住宅宿泊事業の実施を制限する地域を指定する告示(札幌市告示第1575号)」および各区ごとの「制限区域図」で確認します。札幌市の公式説明では次のように案内されています。

札幌市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(平成30年札幌市条例第8号)における、制限地域を指定する告示及び別表における地域は以下のとおりです。
【札幌市告示第1575号】住宅宿泊事業の実施を制限する地域を指定する告示(PDF:533KB)

小学校等周辺における制限区域図一覧

中央区 北区 東区 白石区 厚別区 豊平区 清田区 南区 西区 手稲区

制限区域図はPDF形式で区別にダウンロードできます。物件選定時には必ずこれらのPDFを開き、地図上で自分の候補物件が制限区域に入っていないか確認します。

小学校周辺の半径100mの線引きは、地図アプリ上で見ると境界線が微妙な場合があります。この点について、札幌市は次のように案内しています。

主たる校門より半径100m範囲の境界線に関して、不明な点・確認したい点がある場合は、担当部署(経済観光局 観光・MICE推進部 観光・MICE推進課:(011)211-2376)へお問い合わせください。

境界線付近の物件を検討する場合は、投資判断前にこの窓口に図面や住所を示して確認しておくと安全です。

条例全般や届出・運営に関する問い合わせ先は別に設けられています。札幌市公式サイトでは次のように記載されています。

このページについてのお問い合わせ

札幌市保健福祉局保健所生活環境課

〒060-0042 札幌市中央区大通西19丁目 WEST19ビル3階

電話番号:011-622-5165 ファクス番号:011-622-7311

住宅宿泊事業の実務的な相談窓口です。用途地域との関係や旅館業許可への切り替えの要否など、判断に迷う点があれば、この「保健所生活環境課」に確認するのが最も確実です。

札幌市での届出先・手続きの流れ

札幌市で住宅宿泊事業を行う場合は、国の住宅宿泊事業法に基づく届出に加え、札幌市が用意している独自の様式や手引きに沿って手続きを進める必要があります。札幌市は公式ページで次の資料を公開しています。

札幌市民泊の手引き(令和8年4月1日改訂版)(PDF:1,165KB)

札幌市民泊届出チェックリスト(個人用)(PDF:86KB)

札幌市民泊届出チェックリスト(法人用)(PDF:85KB)

民泊の安全措置の手引き(PDF:1,336KB)

住宅宿泊事業の安全措置に関するチェックリスト(PDF:116KB)

届出から運営開始までの実務フローや、安全措置の具体的な水準が整理されています。実際に運営に関わるメンバー全員で目を通しておきたい資料群です。

届出書も札幌市が様式を公開しています。一次情報では次のように掲げられています。

住宅宿泊事業届出書(PDF:427KB)

住宅宿泊事業届出書(エクセル:50KB)

住宅に関する事項(別紙)(PDF:36KB)

住宅に関する事項(別紙)(エクセル:47KB)

届出事項変更届出書(PDF:455KB)

廃業等届出書(PDF:75KB)

添付書類として必要となる誓約書や承諾書も次のようにテンプレートが用意されています。

様式A(誓約書・法人用)

様式B(誓約書・個人用)

様式C(誓約書・マンション管理組合)

賃貸人による承諾書

賃貸人及び転貸人による承諾書

自己流の書式で提出して差し戻されるリスクを抑えられます。

実務的なおおまかな流れは次のとおりです。

  1. 札幌市の「制限区域図」(小学校周辺・住居専用地域等)で、物件所在地が制限区域に入っていないか確認する
  2. 用途地域や建物用途、管理規約などを確認し、住宅宿泊事業が可能かチェックする
  3. 「札幌市民泊の手引き」と「届出チェックリスト(個人/法人)」を読み、必要書類と全体の流れを把握する
  4. 「住宅宿泊事業届出書」と「住宅に関する事項(別紙)」、各種誓約書・承諾書を札幌市指定様式で作成する
  5. 札幌市保健福祉局保健所生活環境課に提出し、必要に応じて補正・追加資料に対応する

道条例とは異なり、札幌市は独自の手引きとチェックリストを細かく整備しています。これらを活用すると、抜け漏れの少ない届出がしやすくなります。逆に、国のオンライン届出だけ見て手続きを進めると、札幌市独自の書式や安全措置の水準を満たせず、開業が遅れるリスクがあります。

札幌は北海道内で最も民泊需要が見込めるエリアである一方で、住環境保護の観点から規制が比較的きめ細かいエリアでもあります。物件取得・賃借前の段階から、札幌市条例と各種様式を一次情報として確認し、制度設計と収支シミュレーションに反映させておくことが、安定した運営への近道です。

条例違反・制限区域での運営リスクと行政処分の内容

条例違反・制限区域での運営リスクと行政処分の内容

無届・条例違反で問われる法的責任

北海道で住宅宿泊事業を行う際は、国の住宅宿泊事業法(民泊新法)だけでなく、「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」によるエリア・期間の規制も必ず守る必要があります。白老町も公式サイトで次のように明記しています。

北海道により、住宅宿泊事業法第18条に基づき、道内の一部の区域・期間について、民泊(住宅宿泊事業)を制限する条例が制定されています。

これにより、白老町では次の区域、期間が制限されております。

北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(北海道ホームページ)

(白老町公式サイトより)

この「実施の制限」に反して営業すれば、国の届出番号を持っていても条例違反になります。

住宅宿泊事業法も、違反に対して強い権限を行政に与えています。法第15条・第16条では、指導・勧告・命令といった行政処分を段階的に行えると定めています。第18条では都道府県などが条例で実施を制限できる仕組みを置いています。観光庁の「民泊制度ポータルサイト」では、この点を次のように説明しています。

住宅宿泊事業者が法令に違反した場合には、都道府県知事等は報告徴収や立入検査、指導・勧告・命令、業務停止命令や登録の取消しを行うことができます。

無届で住宅宿泊事業を行った場合や、命令に違反した場合などには、100万円以下の罰金等の罰則の対象となり得ます。

無届営業や条例で禁止された区域・期間での営業は、「法令違反」「条例違反」に直結します。具体的には次のような責任を負うリスクがあります。

  • 報告徴収・立入検査への協力義務(虚偽報告や拒否も罰則対象)
  • 指導・勧告に従わなかった場合の「命令」発出
  • 命令に違反した場合の「業務停止命令」や「廃止命令」
  • 無届営業や命令違反に対する「100万円以下の罰金」(住宅宿泊事業法の罰則)

投資の目線では、100万円の罰金だけでなく、「営業停止期間の売上ゼロ」や「プラットフォームからのアカウント停止」「物件の売却価値低下」など、キャッシュフローと資産価値の両面で影響が出ます。道条例で制限された用途地域(第1種低層住居専用地域など)や学校周辺(白老町の「虎杖小学校の出入口周囲100メートルの区域」など)を確認せずに取得・賃借すると、その物件が「事業に使えない資産」になりかねません。コンプライアンスにかかるコストを投資判断に織り込む視点が欠かせません。

近隣住民からの苦情・通報の実態と行政の対応フロー

条例違反や無届営業を見つけるのは行政だけではありません。実務で最も多い入口は、近隣住民からの苦情・通報です。北海道・札幌市は住民向けの通報窓口を明確に整備しており、白老町も公式ページで次のように案内しています。

住民の皆さまからの民泊に関する苦情・通報等の問い合わせについては次に願います。

北海道・札幌市 民泊コールセンター

民泊制度ポータルサイト (観光庁ホームページ)

北海道民泊ポータルサイト (北海道庁ホームページ)

北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(北海道ホームページ)

北海道民泊ポータルサイトには、「民泊制度のポータルサイト及びコールセンター」として、申請相談だけでなくトラブル相談も受け付けていることが示されています。札幌市と道が共同で設置する「北海道・札幌市 民泊コールセンター(011-211-2388)」は、住民からの通報窓口として機能しています。無届営業や騒音・ごみ問題などの情報がここに集まる仕組みです。

典型的な行政の対応フローは概ね次の通りです。

  1. 住民からの苦情・通報
    ・違法民泊の疑い(出入りが多い、外国人観光客の利用など)
    ・夜間の騒音やごみの放置
    ・共用部の占有や駐車トラブル

  2. コールセンター・担当部署による情報整理
    ・所在地・運営実態のヒアリング
    ・届出住宅一覧や登録台帳との照合

  3. 行政による実地調査・報告徴収
    ・現地確認(標識の有無、出入り状況など)
    ・事業者への連絡・事情聴取、関係書類の提出要求

  4. 文書・口頭による指導・勧告
    ・届出をしていない場合は即時営業中止と届出指導
    ・条例上の制限区域・制限期間に該当する場合は営業中止の指導

  5. 改善がない場合の行政処分
    ・住宅宿泊事業法に基づく業務停止命令・廃止命令
    ・悪質な場合は罰則(100万円以下の罰金)を含む刑事告発も視野

白老町が「住民の皆さまからの民泊に関する苦情・通報等」に専用窓口を設けている事実自体が、道内の市町村が民泊を積極的にモニタリングしている証拠といえます。事業者の感覚以上に、行政は「住環境の保護」という観点で監視体制を整えています。近隣に一人でも不安を感じる住民がいれば、コールセンター経由で情報が上がると考えた方が現実的です。

違反が発覚した場合の業務停止・廃業命令リスク

無届営業や条例違反が行政に把握されると、必ずしも「注意・指導」で済むとは限りません。特に、制限区域・制限期間を知りながら故意に無視したと見なされた場合や、指導後も改善しない場合には、住宅宿泊事業法に基づく重い処分が想定されます。

観光庁の民泊制度ポータルサイトでは、行政処分のイメージとして次のように説明しています。

指導や勧告に従わない場合等には、業務の全部又は一部の停止を命ずることができます。

命令に違反した場合や、特に悪質な場合には、事業の廃止を命ずることや、100万円以下の罰金が科されることがあります。

業務停止命令・廃業命令が想定内の手段として位置づけられています。北海道も、「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」へのリンクをポータルサイトに掲げ、届出前に必ず確認するよう求めています。制限に違反する営業には厳格に対応する姿勢がうかがえます。

違反発覚後のリスクを整理すると、次のようなダメージが連鎖的に発生し得ます。

  • 即時の営業停止
    行政指導の段階でも「一旦営業を止めてほしい」と求められるケースが多くなります。予約キャンセルや返金対応により、短期的な売上が失われます。

  • 正式な業務停止命令・廃止命令
    一定期間の業務停止命令が出れば、その間は収益ゼロとなり、固定費だけが出ていきます。命令に従わなければ法的措置に発展するため、実務上は従わざるを得ません。廃止命令が出れば、その物件では住宅宿泊事業を継続できません。

  • プラットフォームからのアカウント停止・掲載削除
    行政処分がAirbnbなどに共有されれば、アカウント停止や掲載削除のリスクが高まります。別名義で再登録しようとしても、物件住所などから紐づけられる可能性があり、中長期的な運営が難しくなります。

  • 物件の出口戦略への悪影響
    違反歴のある物件は、将来の売却時に「コンプライアンスリスクあり」と判断され、買い手が付きにくくなります。特にレジ系投資家や金融機関は遵法性を重視するため、評価が大きく下がるおそれがあります。

  • 地域との関係悪化・ブランド毀損
    通報まで発展した地域では、事業者や同一ブランドへの不信感が残りやすくなります。将来別物件で正当に運営しようとしても、地域の理解が得られにくくなります。

住宅宿泊事業法は、「健全な民泊サービスの普及」を掲げる一方で、無秩序な運営を防ぐために強い罰則も設けています。白老町が次のように案内している通りです。

北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について

制限についての詳細は、北海道経済部観光局観光振興課に問合せ願います。

(白老町公式サイトより)

道の担当課(経済部観光局観光振興課 民泊係 電話:011-206-6597)に直接問い合わせるルートも整備されています。グレーゾーンで進めるより、計画段階で一次情報にあたり、疑問点を相談した方が長期的にはコストが小さく済みます。

投資家・運営者としては、短期の利回りだけでなく、「条例違反・無届リスクが顕在化した場合に事業そのものを失う可能性がある」という前提でスキームを組むことが、ポートフォリオ全体の安定性を高めることにつながります。

北海道で民泊届出を行う前に確認すべき3つのデータと手続きの流れ

北海道で民泊届出を行う前に確認すべき3つのデータと手続きの流れ

北海道で住宅宿泊事業(民泊)の届出を進める際は、思いつきでシステム入力を始めるのではなく、「事前に押さえるべきデータ」と「届出〜運営開始までの流れ」をセットで把握しておく必要があります。

北海道民泊ポータルサイトでは、届出の入口として次のように案内しています。

届出を行う前に、必ず3つのデータ(資料)をご確認ください。

・北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例
・届出書類(法人用)
・届出書類(個人用)

(北海道民泊ポータルサイト「民泊を始めたい」より)

ここでは、ポータルサイトと国の民泊制度ポータルの情報をもとに、届出前に確認すべき3つの資料と、オンライン届出・運営開始後の義務までの流れを整理します。

届出前に必須の3つの確認資料(条例・用途地域・消防)

1. 北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例

最初に確認すべきは、ターゲット物件の市町村に適用される「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」です。

白老町は道条例について次のように案内しています。

北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について

制限についての詳細は、北海道経済部観光局観光振興課に問合せ願います。

(白老町公式サイトより)

条例本文は北海道経済部観光局観光振興課が所管しており、地域ごとの実施制限(期間制限・学校等周辺の禁止区域など)が規定されています。事業計画に直結する主なポイントは次の通りです。

  • 学校や児童福祉施設周辺に「実施禁止区域」が設定されているか
  • 特定地域で営業日数の上限が条例でさらに絞られていないか
  • 独自の騒音・ごみ出し・チェックイン時刻などのルールがないか

物件探しの段階で、必ず「対象住所がどの制限区域に入るか」を条文と市町村の案内ページで確認します。疑問点は観光振興課 民泊係(電話011-206-6597)に照会しておくと安心です。

2. 用途地域・建築条件(都市計画情報)

住宅宿泊事業法自体は用途地域を直接制限していません。ただ、実務上は次の3点の確認が欠かせません。

  • 対象物件の用途地域(第1種低層住居専用地域など)
  • 建物用途(登記簿上の種類が「居宅」「共同住宅」などになっているか)
  • 管理規約(分譲マンションの場合:民泊禁止条項の有無)

自治体の都市計画図・用途地域図は、多くの市町村でウェブ公開されています。旅館業と違い、住宅宿泊事業は「住宅」を活用する制度のため、「そもそも住宅かどうか」「共同住宅を短期賃貸に転用して問題ないか」という点を、条例とセットで確認する必要があります。

3. 消防法令適合通知書(消防設備・避難経路の確認)

届出前に特に重要なのが消防関係の確認です。国の民泊制度ポータルや各自治体は共通して「消防法令適合通知書」の取得を求めています。

千葉県の民泊解説では、手続き上の注意点として次のように説明しています。

現在、届出していただいている書類に不備が多くみられ、書類の確認に時間を要しています。届出書類に不備が多いと、審査全体に遅れが生じますので、書類を提出する際には、必ず「住宅宿泊事業(民泊)の手続」を確認の上、不備がないようにしてください。

(千葉県「民泊について(住宅宿泊事業法)」より)

北海道でも同様に、消防法令適合通知書の添付漏れや内容不備が審査遅延の典型パターンになります。事前に次の流れで動くことが重要です。

  1. 所轄消防署の予防課に相談し、「民泊で使いたい」旨を伝える
  2. 現地調査を受け、必要な消防設備(火災報知器、避難誘導灯、消火器など)の設置計画を確認する
  3. 設備工事・改善を終えたうえで、消防法令適合通知書の交付を受ける

この通知書は、民泊制度運営システムでの届出時に添付が求められます。「届出前に準備しておく3つの資料」の中でも、時間を要するタスクとして最優先で着手したいポイントです。

届出書類の種類(法人用・個人用)と添付書類

北海道民泊ポータルサイトでは、届出書類について次のように区分しています。

届出書類(法人用)

届出書類(個人用)

(北海道民泊ポータルサイト「民泊を始めたい」より)

実務では、次のような違いと共通点があります。

法人用届出書のポイント

法人が住宅宿泊事業を行う場合、一般的に次のような書類が求められます。

  • 法人用の届出書(住宅宿泊事業法第3条届出書:法人様式)
  • 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
  • 代表者の身分証明に関する書類(誓約書など)
  • 役員一覧(暴排条項の確認を含む場合)
  • 物件の権原を示す書類(賃貸借契約書、使用承諾書など)
  • 間取り図・付近見取図
  • 消防法令適合通知書

登記事項証明書の有効期限や、暴力団排除に関する誓約の様式は、自治体やシステム上の最新様式に従う必要があります。必ず北海道の様式と入力ガイドを事前に確認しておくことが重要です。

個人用届出書のポイント

個人名義で届出する場合も基本構造は同じです。ただ、法人特有の書類が不要な一方で、個人の身元確認書類が求められます。

  • 個人用の届出書
  • 住民票や運転免許証などの写し(本人確認)
  • 物件の権原書類(自己所有なら登記簿、賃貸なら賃貸借契約書など)
  • 間取り図・付近見取図
  • 消防法令適合通知書

千葉県が注意喚起しているように、「届出書類に不備が多いと審査全体に遅れ」が生じます。法人・個人いずれの場合も、道が公表しているチェックリストや「住宅宿泊事業(民泊)の手続」資料を見ながら1項目ずつ確認することが重要です。

民泊制度運営システムを使ったオンライン届出の手順

住宅宿泊事業法にもとづく届出は、国が用意する「民泊制度運営システム」からオンラインで行います。千葉県はこの点について次のように案内しています。

民泊(住宅宿泊事業法)の制度(民泊制度運営システムの操作・入力方法含む)等についてのご相談、ご意見、苦情等については、国が運営する「民泊制度コールセンター」にお問い合わせください。

国が運営する「民泊制度コールセンター」 0570-041-389(平日午前9時から午後5時)

(千葉県「民泊について(住宅宿泊事業法)」より)

北海道の届出も同じ国のシステムを利用します。基本的なオンライン手順は全国共通です。おおまかな流れは次の通りです。

  1. 民泊制度運営システムでアカウント登録を行う
  2. 北海道内の物件住所を登録し、「住宅宿泊事業者の届出」を開始する
  3. 事業者情報(法人/個人、連絡先、緊急連絡先など)を入力する
  4. 物件情報(構造、延床面積、宿泊者の最大人数など)を入力する
  5. 消防法令適合通知書、間取り図、付近見取図、権原書類などをPDFで添付する
  6. 営業日数の予定や管理方法(自主管理/管理業者委託)を入力する
  7. 入力内容を確認し、電子申請を送信する

千葉県は次のような注意喚起もしています。

現在、申請していただいている書類の不備が多くみられます。申請する際には、必ず「住宅宿泊事業(民泊)の手続き」を確認の上、申請して下さい。

北海道でも同様に、書類やデータの不整合があると補正依頼が相次ぎ、開業時期が遅れます。次の点を重点的にチェックするとよいでしょう。

  • 住所表記を登記簿・賃貸借契約書・システム入力で統一しているか
  • 図面上の部屋数・面積と、入力した人数上限が整合しているか
  • 消防法令適合通知書の用途・階数と物件情報が一致しているか

疑問があれば、国の「民泊制度コールセンター」や北海道民泊ポータルサイトの問い合わせ窓口で事前に相談する方が、結果的に手戻りを減らせます。

標識掲示・宿泊税・定期報告など運営開始後の義務

届出番号(Mから始まる番号)が付与されると営業開始が可能になりますが、その時点から「運営中の義務」が増えます。北海道民泊ポータルサイトでは、届出書類に続けて「民泊の運営する際の留意点」「標識の掲示」「宿泊税」などの項目を設け、運営フェーズでの注意事項を整理しています。

標識の掲示義務

住宅宿泊事業法では、届出住宅ごとに標識の掲示が義務付けられています。国のガイドラインでは、概ね次の条件が示されています。

  • 標識は「公衆の見やすい場所」に掲示する
  • 地上から1.2〜1.8m程度の高さに設置する

入口ドア脇やポスト周辺など、来客と近隣住民の双方から見えやすい位置に掲示するとトラブルを避けやすくなります。

宿泊税(北海道独自の課税)

北海道では宿泊料金に対して宿泊税が課税されます。北海道民泊ポータルサイトでも「宿泊税」の項目を設け、事業者に注意喚起しています。

  • 宿泊者から宿泊税を預かり、道に納付する義務がある
  • 税率や課税対象の範囲は北海道の条例・告示で定められる

料金設定やOTAの価格表示では、宿泊税の扱い(内税か別途加算か)を明示し、ゲストとのトラブルを避けることが重要です。

2か月ごとの定期報告

住宅宿泊事業法では、営業日数が年間180日以内であることを確認するため、事業者に定期報告義務を課しています。国の民泊制度ポータルおよび各自治体の手続き解説では、求められる内容を次のように案内しています。

  • 報告頻度:原則2か月ごと
  • 報告内容:提供日数、宿泊者数、外国人宿泊者数、苦情件数など
  • 報告方法:民泊制度運営システムを通じてオンライン提出

この定期報告は「営業日数180日の上限管理」と「統計・行政指導」の両方の意味を持ちます。予約管理システムやスプレッドシートで日々の稼働データを整理しておき、報告期限までに確実に入力できる運用フローを組む必要があります。

運営中の相談窓口

千葉県は制度全般の相談先として、次のように案内しています。

民泊(住宅宿泊事業法)の制度(民泊制度運営システムの操作・入力方法含む)等についてのご相談、ご意見、苦情等については、国が運営する「民泊制度コールセンター」にお問い合わせください。

北海道でも同様に、制度全体に関する一般的な疑問は民泊制度コールセンター、条例や地域独自ルールに関する詳細は北海道経済部観光局観光振興課 民泊係が窓口になります。

  • 制度全般・システム操作:民泊制度コールセンター(0570-041-389/平日9時〜17時)
  • 北海道条例・地域制限:北海道経済部観光局観光振興課 民泊係(011-206-6597)

届出前の3つのデータ(条例・用途地域・消防)、オンライン届出の流れ、運営開始後の標識・宿泊税・定期報告までを一連のプロセスとして設計しておくと、「いつまでに何を準備するか」が明確になります。投資判断や開業スケジュールもコントロールしやすくなります。

北海道で民泊を収益化するための条例対応戦略:制限を踏まえた物件選びと運営設計

北海道で民泊を収益化するための条例対応戦略:制限を踏まえた物件選びと運営設計

北海道で民泊をビジネスとして成立させるには、「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」を前提に、エリア選定と運営形態を組み立てることが重要です。北海道庁は条例対象市町村と制限内容を一覧で公開しており、岩見沢市や小樽市、ニセコ町、倶知安町、富良野市、函館市、旭川市、釧路市など、多くの観光地や中核都市が指定されています。公式ページでは次のように整理されています。

北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について

空知総合振興局管内:岩見沢市(1)(2)…上川総合振興局管内:旭川市(1)(2)(3)/士別市/富良野市(1)(2)…渡島総合振興局管内:函館市(1)(2)(3)(4)(5)…釧路総合振興局管内:釧路市(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)…

(出典:北海道経済部観光局観光振興課「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」)

ここでは、この条例と各市の運用を「収益化」という視点から整理し、物件選びと運営設計の方針を解説します。

制限区域・制限期間を逆手に取る物件選定の考え方

北海道の民泊は、法律上は年間180日まで営業できますが、条例により「用途地域」や「曜日・時間」でさらに制限されるエリアが少なくありません。旭川市の例を見ると、北海道条例が投資判断にどう影響するかがわかりやすくなります。

民泊規制情報を整理したデータベースでは、旭川市について次のように説明しています。

旭川市は北海道条例が適用。住居専用地域で月曜正午〜金曜正午は営業不可(家主居住型は免除)。学校周辺100mで授業日に制限

日数分析:北海道条例適用。不在型 住居専用:約120日(土日祝・年末年始のみ)。居住型:180日

制限なし・その他の用途地域 不在型:180日 居住型:180日

(出典:旭川市 民泊新法・条例情報/観光庁届出データに基づく分析)

この情報から読み取れるポイントは2つあります。

1つ目は、同じ市内でも「住居専用地域」とそれ以外の用途地域で、実質の運営日数が大きく違う点です。不在型(家主不在型)で住居専用地域を選ぶと、平日が使えず「土日祝・年末年始だけ」の約120日運営になります。一方、商業地域や準住居地域、近隣商業地域など「その他の用途地域」であれば、不在型でも180日フルで稼働できます。

2つ目は、学校周辺など「マイクロ制限エリア」がある点です。旭川市に関する解説では「学校周辺100mで授業日に制限」と明記されています。これは北海道条例に基づく運用です。

収益性の観点では、次のようなスタンスが有効です。

  • 基本方針としては商業系・準住居系の用途地域を優先し、住居専用地域は“例外的な投資”と割り切る
  • 学校や保育施設、公園との距離も確認し、平日の制限リスクがないか事前に調べる

北海道庁は対象市町村ごとに「告示の別図」を公開しています。条例ページには次のような構成でリンクが並んでいます。

条例/告示の別図/空知総合振興局管内…上川総合振興局管内…渡島総合振興局管内…釧路総合振興局管内…

(出典:北海道経済部観光局観光振興課「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」)

投資対象エリアが決まったら、この「別図」で具体的な制限区域の線引きを確認します。

  • 不在型でも180日運営できる用途地域か
  • 平日の時間制限や学校近接エリアに該当しないか

をチェックしたうえで、購入や賃借の判断を行うことが、北海道での民泊投資の基本戦略になります。

家主居住型(ホームシェア)で180日フル稼働を狙う戦略

すでに住居専用地域にしか適した物件がない場合や、戸建て自己居住物件を活用したい場合は、「家主居住型(ホームシェア)」を前提に収益設計する選択肢が有力です。前掲の旭川市データでは、次のように整理されています。

月曜正午〜金曜正午は営業不可(祝日・12/31-1/3除く)。家主居住型は免除

区域制限 条件付き · 第一種低層住居専用地域, 第二種低層住居専用地域, 第一種中高層住居専用地域, 第二種中高層住居専用地域…不在型:120日 居住型:180日 家主居住型は制限なし

(出典:旭川市 民泊新法・条例情報/北海道条例適用状況の分析)

このように、北海道条例では「不在型」を強く絞り込む一方で、家主居住型については平日制限を免除している地域が多くなっています。つまり、

  • 住居専用地域でも「自宅に住みながらゲストを受け入れる」形であれば、年間180日フルで運営できるケースがある
  • 不在型では120日しか取れない物件でも、家主居住型に切り替えることで実質の稼働上限を引き上げられる

という構図になります。

収益性の面では、次のような切り分けが現実的です。

  1. 住居専用地域の戸建て・マンションは、「家主居住型で180日稼働」を前提にシミュレーションする
  2. 不在型での運用は、商業系・準住居系など平日制限のない用途地域の物件に限定する

「どこまでを家主居住と見るか」は実務上グレーになりやすい部分です。北海道条例の解釈や最新の運用については、北海道経済部観光局観光振興課 民泊係(011-206-6597)に事前確認しておくと安全です。北海道庁の案内でも次のように窓口が明記されています。

お問い合わせ 経済部観光局観光振興課民泊係 〒060-8588札幌市中央区北3条西6丁目 電話:011-206-6597

(出典:北海道経済部観光局観光振興課「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」)

ニセコ・富良野・函館など観光特化エリアでの収益シミュレーション

条例で制限を受けるエリアの中にも、あえて“収益ポテンシャルの高さ”から攻める価値がある地域が多くあります。北海道庁の条例対象リストには次のような観光地が並びます。

後志総合振興局管内:小樽市(1)(2)(3)/ニセコ町/真狩村/倶知安町/共和町/留寿都村

上川総合振興局管内:旭川市(1)(2)(3)/士別市/富良野市(1)(2)…

渡島総合振興局管内:函館市(1)(2)(3)(4)(5)…

(出典:北海道経済部観光局観光振興課「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」)

これらのエリアでは、

  • 冬季のスキー・スノーボード需要(ニセコ・倶知安・留寿都)
  • 夏のラベンダーやアウトドア需要(富良野・中富良野)
  • 通年の観光・クルーズ寄港・ビジネス出張(函館・小樽)

といった要因から、1泊あたり単価を高く設定しやすくなっています。旭川市の分析例では、規制全体を評価する「厳格度スコア」が4/6とされていますが、一方で「法定上限日数180日」「不在型 住居専用:約120日/居住型:180日」と整理されています。運用設計次第で十分な売上を確保できる構造です。

インバウンド比率の高いニセコや倶知安、富良野、函館などでも同様に、次のような考え方が有効です。

  • 繁忙期の単価を高めに設定し、120日〜180日稼働でも通年賃貸を上回る収益を目指す
  • 稼働制限のあるエリアでは、1室あたりの収益性を上げるため2LDK〜3LDKなどの広めで高単価の物件でファミリー・グループ需要を狙う
  • 制限のかからない用途地域・運営形態(家主居住型)を組み合わせ、繁忙期を逃さない運営スケジュールを組む

地域ごとに条例の細部は異なります。ニセコ町・倶知安町・富良野市・函館市の「告示の別図」と各市の要綱を確認し、

  • 実質の営業可能日数(不在型/家主居住型)
  • 繁忙期の制限有無(学校やイベント会場周辺の制限など)

を織り込んだうえで、売上シミュレーションを行うことが重要です。

条例改正・制限緩和の動向を継続的にウォッチする方法

北海道の条例は一度決まったら終わりではなく、観光需要や地域の受入状況を踏まえて見直しが行われる可能性があります。北海道庁の公式ページでも、

北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例

カテゴリー 観光局観光振興課のカテゴリ

(出典:北海道経済部観光局観光振興課)

と、観光局の所管として継続的に情報発信しています。

運営者側としては、次の3点をルーティンに組み込むと、制度変更に振り回されにくくなります。

  1. 北海道庁サイトの定期チェック
    「観光局観光振興課」のページと「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」ページをブックマークし、年に数回は更新の有無を確認する。

  2. 観光庁の住宅宿泊事業法届出統計のモニタリング
    旭川市のように、観光庁が隔月で公表する届出データに基づき「実質営業可能日数」「区域制限」などを分析しているサービスもあります。ターゲット市町村の傾向を把握しておくと、過剰規制リスクや競合状況を推測しやすくなります。

  3. 疑問点は北海道庁に直接確認する
    条例の解釈やエリア指定、新たな制限案の検討状況など、ネット上の情報だけでは判断が難しい部分は、北海道経済部観光局観光振興課 民泊係(011-206-6597)に電話して確認する。公式窓口として問い合わせ先が示されており、実務に直結する情報を得やすくなっています。

このように、北海道で民泊を収益化するには、次の4つの視点が鍵になります。

  • 条例で不利になりにくい用途地域を選ぶ
  • 住居専用地域では家主居住型を前提に180日フル稼働を狙う
  • 観光単価の高いエリアでは、制限を織り込んだうえでも採算が合うか精密に試算する
  • 条例改正や運用変更を継続的にウォッチし、早めに戦略を微調整する

条例を単なる“足かせ”として見るのではなく、「どのエリアでどの形態なら最大限に活かせるか」という投資目線で読み解くことが、北海道民泊の成否を分けるポイントといえます。

まとめ

北海道で民泊を行う場合は、道の住宅宿泊事業条例と札幌市の独自条例を正しく理解し、制限区域・制限期間・届出手続きを事前に整理しておく必要があります。用途地域や学校周辺の制限を踏まえた物件選定と、家主居住型の活用などの戦略次第で、制限がある中でも収益化は十分に可能です。本記事の内容と各種公式資料を照らし合わせながら、リスクを抑えた長期運営プランを組み立てていくことが、北海道での民泊成功への近道になります。

よくある質問

よくある質問

Q1. 北海道では、民泊(住宅宿泊事業)が完全に禁止されているエリアはあるのでしょうか?

北海道全域で一律に民泊が禁止されているわけではありませんが、「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」によって、実質的に民泊ができない(または大きく制限される)区域があります。

代表的なのは次の2つです。

  • 第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域などの「住居専用系用途地域」
  • 小学校などの出入口からおおむね100m以内の「学校周辺区域」

これらの区域では、

  • 終日禁止になっている自治体
  • 月曜正午〜金曜正午(祝日・年末年始除く)のみ禁止になっている自治体

など、市町村ごとに細かい違いがあります。まず北海道庁の「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」ページから、物件所在地の市町村の「告示の別図」を確認し、用途地域と学校周辺100mに入っていないかチェックすることが必須です。

Q2. 札幌市で民泊をしたい場合、北海道条例だけ見ておけば問題ありませんか?

札幌市は北海道条例の対象外で、「札幌市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(札幌市条例)」が別途適用されます。したがって、札幌市で民泊を行う場合は、次の3点を必ず確認してください。

  1. 北海道条例ではなく「札幌市条例」が適用されること
  2. 札幌市が公表している
  3. 小学校等周辺の制限区域図(主たる校門から半径100m)
  4. 住居専用地域等に準ずる地域の区域図
  5. 届出や相談の窓口が「札幌市保健福祉局保健所生活環境課」であること

「北海道の条例で大丈夫だったから札幌市でも同じ」と考えると、制限区域内での運営に該当し、行政指導・業務停止等のリスクが高くなります。札幌市内は必ず札幌市公式サイトの民泊ページを一次情報として確認しましょう。

Q3. 北海道条例で「月曜正午〜金曜正午は営業不可」と聞きましたが、どの物件にも当てはまるのでしょうか?

この平日昼間の制限は、原則として「北海道条例で指定された住居専用系用途地域」など、特定のエリアにだけ適用されます。主なポイントは次の通りです。

  • 対象:第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域 など
  • 内容:月曜正午〜金曜正午(祝日と12/31〜1/3を除く)は不在型の民泊営業ができない
  • 例外:家主居住型(ホームシェア型)は、この時間帯制限の適用外とされるケースが多い

一方で、商業地域・近隣商業地域・準住居地域など「住居専用系ではない用途地域」の多くは、この平日制限の対象外で、年間180日まで運営できるパターンが一般的です。

つまり、

  • 物件所在地の用途地域
  • 北海道条例の「告示の別図」における指定状況

を確認しないと、自分の物件に平日制限がかかるかどうかは判断できません。用途地域図と北海道庁の別図を必ずセットで確認してください。

Q4. 住居専用地域の戸建てで民泊をしたいのですが、家主居住型なら年間180日営業できますか?

北海道条例の運用例(旭川市など)を見ると、住居専用地域でも「家主居住型」であれば年間180日まで営業できるケースが多くあります。

一般的な構造は次のようになります。

  • 不在型(家主不在)の場合
  • 住居専用地域:月曜正午〜金曜正午は営業不可 → 実質約120日程度の運営に圧縮
  • 家主居住型(ホームシェア型)の場合
  • 同じ住居専用地域でも平日制限が免除され、法定上限の180日まで運営可能

ただし、「形式上の住民票」だけではなく、条例で定められた要件(実態としての居住日数など)を満たす必要があります。グレーな運用は、指導や行政処分のリスクが高くなります。

具体的な条件や解釈は市町村により異なることもあるため、

  • 北海道経済部観光局観光振興課 民泊係(011-206-6597)
  • 物件所在地の市町村担当課

に、実際の居住形態を説明したうえで確認しておくと安全です。

Q5. 条例に違反して制限区域や制限期間中に民泊を営業した場合、どのようなペナルティがありますか?

住宅宿泊事業法と北海道条例に違反して営業した場合、次のような行政措置・罰則のリスクがあります。

  • 行政による報告徴収・立入検査
  • 文書・口頭による指導・勧告
  • 改善がない場合の「業務停止命令」「廃止命令」
  • 無届営業や命令違反に対する「100万円以下の罰金」等の罰則

さらに、実務上は次のような経済的ダメージも想定されます。

  • 業務停止期間中の売上ゼロ
  • OTA(Airbnb等)アカウントの停止・掲載削除
  • 物件売却時の評価低下(コンプライアンスリスクのある資産と見なされる)

北海道・札幌市は「民泊コールセンター」を設け、近隣住民からの苦情・通報を積極的に受け付けています。違反は見つかりやすい環境にあるため、必ず条例と一次情報を確認し、疑問点は事前に北海道庁や市町村に相談したうえで運営することが重要です。

Q6. 北海道で民泊を始める前に、最低限どの情報(資料)を確認しておくべきですか?

北海道民泊ポータルサイトでは、届出前に必ず確認すべき資料として次の3つを挙げています。

  1. 北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(+告示の別図)
  2. 届出書類(法人用)
  3. 届出書類(個人用)

実務的には、これに加えて以下も最低限確認しておくと安全です。

  • 物件所在地の「用途地域」(各市町村の都市計画図・用途地域図)
  • 消防法令適合通知書の取得の可否(所轄消防署への事前相談)
  • 分譲マンションなら「管理規約」(民泊禁止条項の有無)
  • 札幌市内の場合は、札幌市独自の条例・手引き・制限区域図

これらを事前に押さえてから、国の「民泊制度運営システム」でオンライン届出に進めば、「届出後に実は営業できない物件だった」という致命的なミスを防ぎやすくなります。

Q7. 道内のどの市町村が条例の制限対象になっているか、早く調べる方法はありますか?

はい。北海道庁の「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」ページに、振興局ごとの制限対象市町村リストが掲載されています。例えば、

  • 後志総合振興局:小樽市/ニセコ町/倶知安町/留寿都村 など
  • 上川総合振興局:旭川市/富良野市 など
  • 渡島総合振興局:函館市/北斗市/七飯町 など
  • 釧路総合振興局:釧路市/釧路町/標茶町 など

といった形で整理されています。

まずはこの一覧で「候補市町村がそもそも道条例の制限対象か」を確認し、対象であれば続けて市町村別の「告示の別図」でエリア・期間の詳細を確認する、という2段階チェックが効率的です。

Q8. 条例やルールが将来変わった場合、どうやって最新情報を追えばよいですか?

条例や運用は、観光需要や地域の意見を踏まえて見直される可能性があります。最新情報を追うには、次の方法が有効です。

  • 北海道庁「観光局観光振興課」「北海道住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」ページを定期的に確認する
  • 札幌市内の物件なら、札幌市保健福祉局保健所生活環境課の民泊ページをチェックする
  • 不明点や噂レベルの情報については、北海道経済部観光局観光振興課 民泊係(011-206-6597)や、札幌市の担当課に直接確認する

情報サイトやSNSだけに頼ると誤情報に振り回されるおそれがあるため、「道庁・市役所の公式ページ」と「担当課への直接確認」を組み合わせるのが、もっとも確実な方法です。